白地に青一色の濃淡で絵柄が描かれる「染付(そめつけ)」の器。
しん窯は江戸期から続く有田焼の染付磁器の名門で、「青花」のブランドを持ちます。
中でも、伝統工芸士 橋口博之氏が手掛ける、より洗練されたデザインの上質の器だけに「青花匠」のブランド名が付けられます。
全面に丸々とした茄子を描いた中サイズのお皿。「濃」という字は「だみ」と読みます。
濃い藍色で塗りつぶしてある空間は、超極太の筆「濃筆(だみふで)」を使って描かれています。茄子は「成す」に通じ、蓄財や繁栄の縁起柄です。(一富士二鷹三茄子の茄子も同じ理由で縁起がいいのです)
一見派手なお皿ですが、実は青一色のお皿よりも食品がとても映えることに驚かれると思います。食卓のいいアクセントにもなりますね。
有田焼 しん窯
佐賀県有田町
しん窯は、1830年天保年間(徳川第11代将軍 家斉の時代)に、鍋島藩の藩窯として築窯された有田焼窯元。当時、日用の食器とは別に大皿や大鉢などの荒物を作る窯は「新窯」と呼ばれ、それが窯名に受け継がれている。
現在では"藍色と白の染付のうつわ"を意味する「青花(せいか)」という独自ブランドにて、飽きのこない暮らしのうつわづくりに取り組んでいる。手描きの技にこだわり、白磁にユニークで楽しい絵柄を伸びやかに呉須(藍色)で線描された器は、おおらかで温かみにあふれ、熱烈なファンの多い窯元である。