長引く寒さが緩んできたと思いきや
3月末から急激に暖かくなった東京は桜が爛漫と咲き誇る。


東北新幹線で降り立ったのは福島県郡山。


さっそくハイテンションに顔はめ看板にはまってみたところから、


今回の旅が始まった…。
いざ車を駆って一路西へ。


宝の山で名高い磐梯山。


山のシルエットがやたらかっこいい。

まだ雪景色だが、外気温はなんと18℃(笑)。
東北の春の訪れの、刹那の風景か。

磐梯山サービスエリアでひと休憩。


肝心の磐梯山の眺めはこの程度。


名前負けしている感は否めない…。
赤べこが迎えてくれる店で恒例の朝の牛乳を求める。


名前もユニーク「べこの乳」。


店長は変化球で、飲むヨーグルトをゴクリ。


腹が減っては何とやら。
ランチのお楽しみはやはり喜多方ラーメン。

評判のお店は、暖簾がないと見落としてしまいそうな民家の佇まい。


本場喜多方ラーメン。


少し甘めで煮干しが香る独特のしょうゆ味スープに
縮れ麺、煮込んだチャーシューとどさっと盛られたネギ。

美味い。

箸がとまらず、あっという間に完食して腹ごしらえ完了。


会津若松の中心街、七日町へ移動。
かわいらしい駅舎が微笑ましい。


列車にもかわいい赤べこ(笑)。


会津塗の工房「塗師 一富」にうかがう。


3代目ご当主の冨樫孝男氏は、
日本各地の漆器産地で修業を積んだ後に会津に戻り、
確かな技術力と豊かな独創性で漆器の可能性を追求している漆塗り職人。


肩書には、
漆を塗ることを意味する「髤漆(きゅうしつ)」とシンプルに表し、
漆塗り職人としての誇りを込める。

冨樫氏は会津漆器技術後継者訓練校という漆の学校の講師も務め、
工房には数名のお弟子さんを抱える。

うかがったときはちょうど下地作りの作業中。


年季の入った床板の工房で、


静かに滑らかに粛々と進められる職人の手作業にしばし見とれる。


この工房で生み出される、
漆器としてはまず見たことがないデザインと塗りの技法に、
思わず目を奪われる。


とにかくどれもカッコいい…。


四分一(しぶいち)塗の平皿は、まるで月面の趣。


目にも鮮やかな玉虫塗。


鉄錆塗は、漆に砥の粉を混ぜたものを絞り出して絵を描く。


パッと見は陶器の面持ちのべっ甲塗。


会津絵を描いた青光塗の椀。

西洋アンティーク等にインスピレーションを受けたデザインと
漆塗りの技術が高次元でマッチして、漆器のフロンティアを見る思い…。

チョコレート箱に入ったおいしそうな粒。


でも…
これぜんぶ漆器なんです!

居心地のいい場所は時間の経つのを忘れさせ、


ふと気づけば日が暮れている。



いい米、いい水がある土地とくれば、
当然うまい日本酒である。


会津若松市内だけで、酒蔵はなんと12もあるのだという。
絶品の郷土料理をいただきつつ、杯が進む。


〆はこづゆとおにぎりで。