白地に青一色の濃淡で絵柄を描く「染付(そめつけ)」は、有田焼伝統の技法。
福珠窯独特の少し淡めの藍色が、古伊万里の風情を今に伝えます。
芙蓉とは「ハス」のこと。お皿の周辺部を区切って絵付けすることで、「ハスの花」の花弁が開いたように見える器を「芙蓉手」といいます。
中心に見える特徴的な意匠は「VOC」をかたどったもの。
これは、日本が鎖国していた江戸時代、限られた貿易の玄関口だった長崎・出島に出入りしていた「オランダ東インド会社(Vereenigde Oostindishe Compagnie)」の頭文字から取られたマークです。
当時、有田で焼かれたこのデザインのお皿が、オランダ東インド会社を経由して遠くヨーロッパに輸出され、磁器としての質の高さ、色合いの美しさ、精緻な絵付けで人気を博していたといいます。
中央には鳳凰、柘榴(ざくろ)、椿の柄、周辺には牡丹や石竹等が描かれています。
往時の風合いを再現するため、土、絵具を厳選し福珠窯独自調合の釉薬をかけて焼成しています。
華やかな出来栄えのお皿は、飾り皿としても秀逸です。
インテリアがお好きな方への贈り物にいかがでしょうか。
有田焼 福珠窯
佐賀県有田町
福珠窯は有田を代表する窯元の一つ。
江戸時代の古伊万里にも使われていた柞灰釉(いすばいゆ)を用いることで、しっとりとした釉肌と、ふんわりとしたやわらかな呉須の絵付けを特徴としている。
モダンでありながら、伝統を感じられる焼物作りに挑戦し続ける職人集団である。