瀬戸内の朝。


絶景。
空と、海と、山と、島と、牡蠣筏(かきいかだ)と。

日本の朝日百選にも選ばれる景色で一日がスタート!


備前に来るきっかけとなった窯元を訪ねる。


外には薪窯の燃料となる大量の松割木(まつわりき)。


どこまでも、どこまでも、続く。


その先には雑草が生えたなんでもなさそうな小山。


伊部の町なかに点在しているこの小山、
こう見えて原土置き場なのだ(地元では「粘土山」とも)。

備前焼は「干寄(ヒヨセ)」と呼ばれる田んぼの底から採った粘土を使うが、
採土された粘土は最低でも1~2年風雨にさらし、
不純物を土となじませる。

自然に晒し、土を育てている。

ちなみに、「干寄(ヒヨセ)」には鉄分と有機物が多く含まれる。
備前の醍醐味である多彩な窯変(ようへん)はこの土から生まれる。

工房を見せていただく。


ん?
入口には手作り感が堪らない赤いガチャマシンが佇む^^


きれいに整頓されたろくろ場は、小高い丘の上。


雄大な景色をまえに、作陶に励む。

今回案内してくださったご当主の息子さんは、
窯元を率いながら、同時に陶芸作家としての道を歩んでいる。


窯場には20mもある大きな登り窯。


他に穴窯、角窯、電気窯などがあり、用途に応じて使い分けている。
伺ったときは窯元の職人が角窯の窯詰め作業を行っていた。


焼きあがった器は多彩な景色だ。

うす茶色の素地に、
朱色の鮮やかな線が「たすき」のようにかかった「緋襷(ひだすき)」。


「胡麻(ごま)」模様が絶妙なカップ&ソーサー。


存在感のある「黒備前」。


いずれも土と炎の力強さを感じる器ばかり。

土の配合から焼き上がりまで、
日々試行錯誤を重ねた結果がこうして表れてくる。


昼は岡山のソウルフードが食べたい!
ということで、「ホルモンうどん」の名店へ。


焼けたソースの匂いが気持ちを昂らせる^^
口に入れると、キャベツの"シャキシャキ"とホルモンの"プリプリ"。

あ~、堪らない。


うまいものを食べたら、歩く。
備前焼のルーツを巡る。


桃山時代から江戸時代にかけて使われていた
巨大な共同窯の一つ、全長50mを超える「伊部南大窯跡」。


窯跡の周辺に広がる不良品・破損品を廃棄した「物原(ものはら)」の規模が半端ない。


壺や甕、徳利などの日用品を大量に生産していた時代、
備前焼 最盛期の勢いを感じる場所だ。


備前焼ゆかりの神社、「天津(あまつ)神社」。


狛犬からはじまり、


参道のタイル、壁の陶板...


うさぎ、トラ!?・・・まで、


至るところに備前焼が散りばめられている。

六百年以上に渡って、
備前焼 栄枯盛衰の歴史を見守り続けている地元の氏神様だ。


伊部駅前に“斬新”な看板を出している「備前焼ミュージアム」。


こちらでは備前焼のルーツ、古墳時代の須恵器をはじめ、
鎌倉時代から江戸時代までの古備前、現代の陶芸作家など、
備前焼の歴史に触れることができる。

特に3階にある「人間国宝館」は、
備前焼の人間国宝5名の代表作が一堂に会する見応えのある展示。
1点1点の"重み"に思いを馳せる。


よく歩いた後は、やっぱり!?ビールでしょ^^


そして今日は、焼き「ままかり」っ!