やや雲がかかる八ヶ岳を見ながら、
SAでコーヒー牛乳を一杯。

瀬戸・美濃やきもの探訪の旅、
当店スタッフのもはや儀式になりつつある…。

今回は当店オリジナル商品製作の打合せに、
市之倉の美濃焼窯元 豊泉窯 丸甚製陶所にうかがう。


小規模ながらきれいに設えたショールームに
白磁染付や青磁の器が並ぶ。


大メーカーや卸店はそれこそ立派な店を構えているが、
家族経営の窯元でこれだけきれいに自分の商品を見せるところは多くない。

しっかり作っているものはちゃんと見せたい、
そう教えていただいている気がする。

作業場にもお邪魔する。

 

やはりきちんと整理されていて気持ちがいい。

誰もが知っている数々の一流陶磁器メーカーも、
実はこの窯に製作を依頼している。

やきもの技術の最前線に触れた思いである。


ジュニアも早くも作陶活動!
英才教育だなあ(笑)

さて肝心のオリジナル商品は秋口に登場予定。
乞うご期待。

続いてはお隣、愛知県瀬戸市へ。


“せともの”の名の通り、瀬戸はやきものの町。


型を用いて大量生産するメーカーが多い中、
古くからの技法を守り・育て、
今なおしっかりとした手仕事でホンモノを生産している窯元もある。


黄瀬戸、石皿、馬の目、三彩、麦藁手…。

昔から作られているものが、
今なお鮮度を失わず、新しさすら感じる。

作り手の方々との会話の中にうかがえる「情熱」が伝わってくる。

使ってみたい。
単純でストレートな感情を覚えた。

締めくくりは美濃に戻り、
窯元 蔵珍窯(ぞうほうがま)へ。


作業場兼ショールームは北陸から移築した古民家で、
何ともたまらない趣がある。

ご当主は地元の神社の神主でもあるが、
やきものづくりへの熱い思いはまたひとしおであった。


作業場で黙々と作業に打ち込む職人の姿は、
器を生きたものにするかの気迫を感じる…。

蔵珍窯の最大の特色は「赤」へのこだわり


貴重な紅柄を、
なんと1,000日もの間ひたすら摺り続けた「千日摺りの赤」は、
しっとりと伸びて奥行き深く、使う者を惹きつける。
(当店でもまもなく、この「赤」を使った器をご紹介する運びです。)


駆け足の旅であったが、
美濃・瀬戸のやきもの一大産地の奥深さをあらためて知った旅となった。

帰り道も夕暮れの中コーヒー牛乳で締めくくるスタッフであった…。