佐賀県立 九州陶磁文化館。


特別企画展「明治有田 超絶の美」という展示会の初日。


明治の黎明期、1873年(明治6年)のウィーン万国博覧会に
日本の威信をかけて出品された緻密で極彩色の有田の磁器は、
世界中の人々を驚嘆させ、大きな称賛を浴びる。

150年の時を経て一堂に集められたその実物の数々は今なお輝きを失わない、
まさに超絶の美。


当時の職人の気概、誇り、意地が伝わってくる。
「これでどうですか?」ではなく、「これが最高のものです」と出品したのだろう。

こういう仕事をしたい。。。

…と、
ロビーから聞こえてきたのは・・・なんと「くんち」のリズム!?

くんちとは九州北部の秋祭りのこと。
今日は有田くんちの日で、お囃子の行列が館内に!


思わぬ祭り見物となった。


なんとトイレまで有田焼!!


町から山に向かい、
伊万里 大川内山、鍋島焼の里へ。


江戸期に藩窯だった頃、
高い技術を持つ職人を関所を設けて隔絶して製作にあたらせた地。


山あいの谷を縫うように石畳の道が縦横に伸び、窯元が並ぶ。


青い空、黄金色の稲穂、何度来てもいいところだ。


川に架かる橋もやきもの。立派な壺が欄干替わり。


シンボルの煙突がそびえる名門窯元にうかがう。


ていねいに作られる色鍋島、青磁、染付といった
鍋島焼伝統のやきもの技術に秀逸なデザインセンスが加わって、
可憐で美しく楽しい器になっている。


思わず次々買い求めてしまう…。



あっという間の九州滞在。

磁器がこの地で作られるようになって400年。

技術を磨き、センスを磨き、日本ならではの心配りが行き届いた、
優れたやきものとなってきた歴史を体験した今回の旅。

当たり前のことだが、モノは人が作る。

良い人が作る良いモノを、
ちゃんと紹介できる良い店にしなければと心を新たにしつつ、
ちゃんぽんに舌鼓を打つスタッフであった・・・。